世界の問題を考えさせられる「世界報道写真展2019」が開催されています。

 東京都写真美術館 地下1階展示室(東京都目黒区)で6月8日(土)から8月4日(日)まで、「世界報道写真展2019 76億の目撃者たち」が開催されています。

 世界報道写真コンテストの受賞作を紹介する「世界報道写真展2019」。62回目を迎える今回のコンテストには、129の国と地域から4,738人のフォトグラファーが参加し、78,801点の応募がありました。
 今年は、「現代社会の問題」、「一般ニュース」、「長期取材」、「自然」、「環境」、「スポーツ」、「スポットニュース」、そして昨年の「人々」にかわり「ポートレート」の部の8部門において、25カ国43人が受賞しました。また新たに、複数の写真で様々な事象を表現した作品を評価する「世界報道写真ストーリー大賞」が設けられ、報道写真の表現が広がりを見せています。
 「スポットニュース」の部では、ジョン・ムーアがメキシコとアメリカの国境で、母親の取調べ中に泣き叫ぶホンジュラスの少女を捉えました。また「一般ニュース」の部では、サウジアラビアのカショギ記者が行方不明になった事件で、サウジの総領事部に押し寄せる報道陣の姿を写しています。ほかにも、シリアで続く内戦やコロンビア革命軍の元女性兵士の暮らし、オランダ領キュラソーのベイニロフラミンゴを捉えた作品など、地球上で「いま」起きていることを伝える写真の数々を紹介します。
(案内より)

 世界で問題となっている一場面が取り上げられ、紛争からスポーツなど様々な写真が展示されていました。

 受賞者のうち女性写真家は32%(2018年は12%)。日本人は約50件だったが受賞なしだそうです。

 映像コーナーでは、「四季」をテーマにドローンで撮影した映像が見れました。

 7月13日(土)から15日(月)には、東京都写真美術館1階スタジオで、「フォトドキュメンタリー・ワークショップ」が開催されるそうです。フォトドキュメンタリーの最前線で活躍する講師を迎え、レクチャー、ポートフォリオ、クイック・ヒット・エッセイ制作を3日間で行うものだそう。
 他には、「いとうせいこう×国境なき医師団~人道危機の現場で、人々に寄り添うこと~」をテーマに、スライドトークイベントが7月27日(土)に東京都写真美術館ホールで開催されるそうです。
 両イベントともに、事前申込制。

● Eiji’s 感想
 毎年、見に行っています。今年も衝撃的な写真がありました。やはり、紛争や争いごとの写真が衝撃を受けましたが、南米やアフリカでのことが多く見受けられましたように思います。戦争や紛争だけでなく、様々な問題が写真を通じて取り上げられていました。その他に、スポーツや自然などもあり、地球環境や自然と人間を考えさせられもしました。
 興味深かったのは、
・環境の部:単写真2位:ウォーリー・スカリジ氏:アメリカ ロサンゼル・タイムズ:アメリカのカリフォルニア州の2018年の山火事の写真。背景が真っ赤になっている、山火事の怖さが衝撃でした。
・一般ニュースの部:単写真2位:ダニエレ・ヴォルベ氏:イラリア:2018年6月3日のグアテマラのフエゴ火山の噴火で火山灰に覆われたサン・ミゲル・ロスロテス村の被災家屋の居間の様子の写真は、その火山灰が部屋に積もった衝撃的な写真でした。
・現代社会の問題の部:組写真3位:フィリップ・モンゴメリー氏:アメリカ ニューヨーカーに提供:アメリカでの麻薬性鎮痛薬オピオイドの過剰摂取問題を取り上げた写真は、その深刻さを感じた写真でした。
・スポーツの部:単写真3位:テレル・グロッギンス氏:アメリカ:2018年6月22日、アメリカのミシガン州デトロイトでのボクシングの試合で、パンチが決まった瞬間の写真が衝撃的でした。
・ポートレート部:単写真2位:ヘバ・ハミス氏:エジプト:男性が受けた性暴力の問題を取り上げた写真で考えさせられました。
・長期取材の部:サラ・ブレセナー:アメリカ:アメリカとロシア、それぞれの愛国教育の青少年プログラムを取り上げていました。訓練の様子など。