川で様々な染め物が楽しめた「染の小道」

 中井(東京都新宿区)で2月23日(金)から25日(日)まで、「染の小道」が開催されまた。

 落合・中井地域は東京の染色産業の中心だそう。戦後間もない頃の東京は、京都や金沢に並ぶ染めの3大産地として全国に名を馳せていたそうです。その中心を担ったのが、水質に恵まれた神田川妙正寺川流域


 江戸が育てた手書き友禅小紋など、伝統を受け継いだ技術や文化――染め物を街全体でギャラリー演出した「染の小道」。2009年に地域のギャラリーや染色工房が集まり、小さな合同展示会として始まり、今回で10回目になるそうです。

 最大の見所は、「川のギャラリー」。江戸文化が醸成した染色の技術を受け継いできた染工場の職人たちが、川で染め物の水洗いをする様子は、昭和30年代まで落合・中井の日常風景の一部だったそうです。

 川のギャラリーでは、色とりどりの反物を川面に架け渡すもの。江戸小紋や友禅染めなどの反物で着物に使うのが難しいストック品などを展示用として手を加えられたものから、子供たちがつくったものまで楽しめました。

 

 笛の音色が流れて、雰囲気がいい感じでした。

 染め技法について、
 ・型染め:模様を彫った型紙を用い、白生地に防染糊を付け、パターンを染め抜く。
 ・友禅染め:防染糊で絵柄の輪郭を手書きし、多色で染め上げます。
 ・江戸小紋:型染めの一種。遠目には無地に見える程の細かい紋様が特徴。
 ・紋り染め:布の一部を縛り(絞り)、染料が染み込まないようにして模様をつくります。
 ・紅型染め:沖縄を代表する伝統的な技法。型紙で糊を置き、刷毛で色を挿します。
 ・草木染め:植物の葉をはじめ、茎、根、実などの煮汁を用いた天然染料を用います。
といった技法があるそうです。

 この他に、着物に使われる染色の技術で店舗の「のれん」を染めた作品が107枚――様々な手法が楽しめる技法の見本市とも言える「道のギャラリー」、みんなで1枚の布地を染める企画「百人染め」、職人に触れあいながら3つの染色技法を体験できる「染のがっこう」、新宿区の作家による手仕事から染色の未来を担う学生まで計30点を超す着物のお披露目の「染の街のキモノショー」なども行われたそうです。