写真を通じてその時代を見る、写真展「後世に遺したい写真」

 横浜みなとみらいギャラリー(神奈川県横浜市)で3月1日(木)から4日(日)まで、写真展後世に遺したい写真」が開催されていました。

 時代の変化はその時でなければ捉えることはできない。その時の時代の目撃者、時代の証言者という役割として写真が挙げられ、その写真を収集・保存している、写真保存センター
 写真展では、法隆寺をはじめとする著名な寺社が保持している国宝級の建造物や仏像などの文化財を撮影した写真、1920(大正10)年頃から1990(昭和65)年頃までの日本人の暮らしぶりを撮影した約100点の写真が展示されていました。

 西欧で起こった第1次大戦の余波を受けて好景気に沸いたのもつかの間、1923(大正12)年の関東大震災で東京・横浜は壊滅的な被害を被り、不景気に陥って行く。昭和に入ると軍部の台頭が始まり、満州事変・日中戦争へと進み、1941(昭和16)年には太平洋戦争(第2次大戦)へと突入する。
 1945(昭和20)年、米軍の原爆投下で敗戦を迎え、食糧難、住居の困窮などを経て新生日本が始動する。経済復興と成長による世相の安定と暮らしの変貌を写真家は様々な状況下で捉え続けた。
(案内より)」

 日本写真保存センターの活動は、資料「日本写真保存センターの活動と写真原板の保存」が配られていました。

―日本写真保存センターとは―
日本写真保存センターはでは時代の様相を捉えた様々な写真原板(フィルムや乾板)を収集し、後世へ残すことを目的に、文化庁の委嘱を受けて収集・調査・保存活動を行っています。調査活動を進めると写真原板の劣化が散見されます。日本写真保存センターでは保存科学に基づいた方法で早めの劣化対策を行い、写真原板の長期保存を目指しています。
(資料より)」

―写真原板の調査と保存―
収集した写真原板は日本写真保存センターの作業室で、劣化の状態と内容調査を行い、画像確認のためのスキャニングを行ったのち、長期保存に適した中性紙のホルダーへ交換し東京国立近代美術館フィルムセンター相模原分館の収蔵庫(室温10℃、相対温度40%)で保存します。

―写真フィルムの劣化と対策―
酢参臭を発しながらフィルムベースが溶解する科学的劣化のビネガーシンドロームは、高温多湿の我が国で発生しやすい典型的なフィルムの劣化現象です。一度発生すると元には戻らず画像が溶解してしまうため予防が大切です。ビネガーシンドロームは、ベースから発生した酢酸ガスが周囲に残っているとさらに劣化が進むため、通気性があり、長期保存に適した中性紙の包材(ホルダー)に入れ替えることで劣化を抑えられます。
理想的な保存方法としては、低温・低湿度の収蔵庫へ入れ、定期的に空気を入れ替えることが望ましいと考えられています。収蔵庫での保管が難しい場合は温湿度変化が緩やかで比較的低温な場所へ保存し、定期的に喚起を行えば、劣化の進行を抑えることができます。
(資料より)」

―収集している写真家―
日本写真保存センターでは、大束元、岩宮武二、木村伊兵衛、菊池俊吉、佐伯義勝、佐藤明、田中徳太郎、名取洋之助、緑川洋一、山端康介、吉岡専造、渡辺義雄などの写真家の写真原板をプロ、アマチュアを問わず広く収集しています。現在は66名、約28万本以上を収集してデータベース化を行い、ホームページでも公開しています。(2017.12現在)
(資料より)」